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COMMENT

廃墟とは、
忘却された過去でもなければ、
予見された未来でもない。
我々の文明の現在いまだからこそ、
目が離せなくなるのだ。  
――佐藤健寿(写真家)

ニコラウス・ゲイハルター監督から福島トライアルのリサーチとアテンド(案内役)を頼まれた。私は彼のクルーと共に、立ち入りが制限されている浪江町の放射線管理区域内に入った。浪江町で、かつてそこにあった、もはや人の手のついていない場所をゲイハルターは探していた―。
――岩崎孝正(映像作家)

なぜ、こんなにも魅入ってしまうのだろうか。
なぜ、こんなにも美しいと思ってしまうのか。
映し出される世界は、無意識で人類が求め
そして、最後に行き着く世界なのではないか。
鳥肌立つほどにどきりとさせられたのだった。
――KIKI(モデル

ぼくらが遺せるものは、何だろう。ぼくらが残せたものは、これで良いのだろうか。
美しくも悲しくも虚しくも、ぼくはぼくらを見る。この時間が、この映画が必要なほど人類は果てに向かっているのか。アタマの中で音楽が鳴りだす。
――安齋肇(イラストレーター)

美しい映像の連続に息を呑む。その陰から訴えてくる無性の叫びに胸が騒ぐ。
人間たちの夢の跡をたんたんと描くことで生まれる臨場感に僕は包まれた。
人類は廃墟でない遺産を人類の継承者に遺すことができるのか!
――志茂田景樹(作家・よい子に読み聞かせ隊隊長)

人間は一切登場しない。しかし人が不在であることで、人の存在―不在による存在―が強く喚起されてくる。私たちが見るものは、すべて人間がいたことを示す痕跡とそれを掻き消す自然のプロセスなのだ。
そして風景が、語り始める。
――四方幸子(キュレーター、多摩美術大学・東京造形大学客員教授)

私たちの、この現在の暮らし振りを、遠い未来の何者かが発掘したとしたら、いったい何を想うのだろうか。
ものものは、やがては朽ち果て、雨に砕かれ、風にさらわれ、微生物が食べ尽くし、粉々に還ってゆく。
でもそこに、確かにあった、暮らしの気配や、奏でられた音や、響きや、情熱や、息吹や、そんな魂のようなものは、いつまでも、ゆらりゆらりと漂い続けているのかもしれない。
――高木正勝(映像作家・音楽家)       

近代文明の消滅を描く、厳しくも美しい映像集
――ハリウッド・レポーター

この風景を旅することは、人類必須のテーマである
――バラエティ

※順不同・敬省略※