人類遺産

2017年3月、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開 そうして、人類の時代は終わりました。『いのちの食べかた』ニコラウス・ゲイハルター監督最新作 世界70ヶ所以上の廃墟と対話をする、時空を超えた新感覚の映像体験

INTRODUCTION

日本で10万人が観た大ヒット作
『いのちの食べかた』のニコラウス・ゲイハルター監督最新作
撮影期間4年、世界70ヶ所以上にも及ぶ
“廃墟”にカメラを向けた唯一無二の映像集
放置され、朽ちゆく人工建造物の風景からは、
人々が去った後もなお、不思議な息吹が感じられる。
“彼ら”が私たちに伝えようとしているメッセージとは何か?
いま、時空を超えた“人類遺産との対話が始まる―

INTRODUCTION

記録的なロングランヒットとなった『いのちの食べかた』(07)で一切のナレーション・音楽を排し「食糧」の生産現場を見せ、『眠れぬ夜の仕事図鑑』(12)では世界の「夜に活動する人々」に焦点を当て、美しい映像のなかにも痛烈な社会批判や、現代社会に警鐘を鳴らすメッセージが込められた作品を撮り続けるゲイハルター監督。彼がこの最新作で切り撮るのは、かつて人間の手によって作られ利用され、やがて人間の都合で放置され、朽ちゆく世界の“廃墟”だ。

これまで通り何の説明もいらない圧倒的な映像美のなか、本作ではついに人物すら登場しない究極の世界観を創り上げている。

約30年前の大雨で湖底に水没し、近年の干ばつによって奇跡的にその全貌を現わしたヴィラ・エペクエン(アルゼンチン)の町並み。アメリカ・ニュージャージー州の海上遊園地を襲ったハリケーンにより、海へと崩落した巨大なローラーコースター。そして、日本の高度成長期を支え、最盛期には5000人以上が生活していた炭鉱の島・端島(軍艦島)の鉄骨アパートの部屋では、時を止めたカレンダーが風に揺れている―。誰もいない廃墟の風景に、まるでその場にいるかのような臨場感と不思議な生命力さえも感じさせられる。

私たちが見ている光景は過去の産物なのか? それともこれが未来の世界なのか? そもそも人類がこの地球に存在する意味とは何なのか? “棄てられた風景”が、今静かに語りかけてくる―

DIRECTOR

ニコラウス・ゲイハルター 1972年オーストリア・ウィーン生まれ。1994年に自身の制作会社「ニコラウス・ゲイハルター・フィルム・プロダクション」を設立。本作の共同プロデューサー ウォルフガング・ヴィダーホーファーらとともに、作家性の強いTVや映画のドキュメンタリーを中心に製作。国際的な映画祭などでの受賞歴も多く、日本でも2007年に公開された「いのちの食べかた」でドキュメンタリー監督としての確固たる地位を得た。2012年3月にはチェルノブイリ原発事故で被害を受けた小さな村の12年後を追った『プリピャチ』(99)が日本公開され話題となった。

DIRECTOR

FILMOGRAPHY 2011 眠れぬ夜の仕事図鑑 ABENDLAND(94分/カラー)
2010 ALLENSTEIG(79分/カラー)
2008 7915km (106分/カラー)
2005 いのちの食べかた UNSER TÄGLICH BROT/OUR DAILY BREAD (90分/カラー)
2001 ELSEWHERE (240分/カラー)
1999 プリピャチ PRIPYAT (100分/モノクロ)
1997 DAS JAHR NACH DAYTON/ THE YEAR AFTER DAYTON (204分/カラー)
1994 ANGESCHWEMMT WASHED ASHORE (84分/モノクロ)